No.2の役割

企業には必ずボスが存在します。
ということは、必然的にNo.2も存在するということになります。
これまでずっと、このNo.2について考えてきました。
企業経営において最も重要なものの一つが、このNo.2の育成だからです。
経営者はもちろんボスです。
はじめは自分一人でスタートした事業でも、その規模が大きくなるにつれて人手が足りなくなります。
ここで2通りの選択肢があります。
1つは、あくまでも自分がプレーヤーに徹して、そのサポートをしてくれる人を使う方法。
もう一つは、もう一人の自分を作る方法です。
 
自分がプレーヤーに徹する方法は、自分自身のレベルを維持し続けられる限りは、お客様に対して一定レベルのものを提供できるというメリットがあります。
その反面、規模を大きくできないというデメリットを併せ持ちます。
当然のことですが、ひとりの人間の出来ることには限界があるからです。
 
もう一人の自分を作る方法は、なかなか納得のいく人材を育てられないというデメリットがある反面、いったん育てることが出来れば規模の拡大はもちろんのこと、自分の右腕として大いに活躍してくれることでしょう。
ここまでくると、自分にしかできないことに集中できるようになります。
結果としてどんどんビジネスが加速していくことになります。
 
ところで、No.2の役割とは何でしょう。
 
 
 
 
馬の世界にも当然No.2がいます。
馬は群れを作って生活をする動物です。
これは群れを作ることで、自分たちを肉食動物から守るためです。
群れということは、そこには多くの馬たちが共に生活しています。
となると、当然そこにはボス(No.1)の存在があります。
馬の世界におけるボスとNo.2の違いは、どこにあるのでしょう?
 
 

実は、ボスとNo.2の違いはほとんどありません。
ボスとNo.2はいつでも入れ替わることが出来るのです。
 
 
これはなぜなのでしょうか。
もしボスとNo.2に歴然とした差があったとしたら、群れを守るために命をかけたボスが死んだ瞬間に、その群れは崩壊することになります。
万が一ボスが死んだならば、その瞬間にNo.2がその座につくのです。
No.2はそのことを十分理解していながら、ボスに全幅の信頼を置いているのです。
だからこそ、ボスはその命を賭して群れを守ることが出来るのです。
 
 
 
 
人間の世界でも、全く同じ。
人間も馬と同様、群れをなす生き物です。
自然界において人間は弱い存在だからです。
人間には、肉食動物のように鋭い牙や爪はありません。
しかも肉食動物に補食される草食動物のように、逃げるための速い足も持っていません。
丸裸で自然界に放り込まれたならば、人間なんてひとたまりもなく絶滅してしまうでしょう。
人間はそれをカバーするために、群れを作っているのです。
そう考えると、人間におけるNo.2の役割が見えてきますね。
 
No.2は裏方ではありません。
ボスは、自分を全力でサポートしてくれるNo.2がいてくれるからこそ、思いっきり自分にしかできない仕事に取り組むことが出来るのです。
No.2の役割は、そのボスを理解した上で全幅の信頼を置いてサポートすることです。
No.2にはNo.2にしかできない役割があるのです。