【新着情報】最新のメディア掲載、セミナー情報をお知らせします。

2017.07.20

【融資審査会議実録】に「賃貸の店舗を買い取った事が原因で否決されたケース」を追加しました。

限られた常連客だけで商売を行っているため、顧客ニーズはほぼ完璧に把握できており、これまで不良在庫を抱えたことがないのもKさんの手腕であろう。
さほど資金需要もないため、毎回借入金の残高が僅少になった頃に借換で繋いできた経緯がある。これまでの借換では一度も否決されることはなかった。


今回の申込においても、過去の借換時とほとんど内容的に変わるところはなかった。
売上高、利益、資金繰り、全ての面でこれまでとほぼ同様である。そういう意味では非常に安定した企業と言えるだろう。
ただ1つだけ変わったところがあった。
これまで賃借であった店舗を買い取ったのである。
買取価格は1,200万円であり、全額別の銀行からの借入で購入していた。経緯を尋ねたところ、家主に相続が発生したため遺族から買取を打診されたそうである。
銀行に相談したところ、今の賃料より少し少ない返済額で買取ができると言われ、それならばと買取を決断したということであった。

賃料とほぼ同額の返済であるならば、資金繰りにも影響は及ぼさないため、これまでと同様の経営が可能だという判断をしたのだろう。
今回借入残高が僅少となったため、今まで通りの感覚で借換を打診してきた。


結論を先に述べると、今回の案件は否決されたのである。


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2017.06.25

【企業経営】に「移転はやってはいけない!」を追加しました。

これまで多くの企業について経営改善のお手伝いをした中で、比較的多いものに移転に関するものがあります。

ここ1年間ある企業のお手伝いをしたのですが、元々は大繁盛店で、当時は行列までできる大人気店でした。
行列までできるお店になったということで、やはり手狭感がでてきたのでしょう。オーナーはより大きなお店に移転を考えました。
顧問税理士に相談したところ、それは良いとのことで、元のお店より数倍大きなお店に移転しました。

移転直後から問題が頻発し、大繁盛店から一気に転落してしまい、年間1千万円以上の赤字を出すようになってしまいました。


この段階で弊社にご依頼いただいたのですが、もちろんオペレーティング上の問題やメニュー構成などを含め、問題が山積みでした。
しかしこの段階で、最も重要かつ絶対にやってはいけないことをやってしまっていたことが、最大の問題だったのです

それが移転です。

つまり元々の大繁盛店をクローズして、新たな店舗に移転していたのです。


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2014.07.04

融資審査会議実録」に「劇的なV字回復に見えるものの資金ショートが見抜かれたケース」を追加しました

今回のケーススタディは、安易な利益計上策をとってもあまり融資審査には影響を及ぼさないという良い例です。
今回の例では結果として融資は実行されましたが、無担保の土地がなければ否決されていた可能性が高いことを考えますと、この利益計上策は意味がなかったということになります。ここが金融機関と経営者の視点が大きく食い違うところですので、注意が必要です。


金融機関は回収可能性を第一に考えるということは、これまで何度もお話ししてきたとおりです。
だから経常利益を重要視すると言われてきたわけですが、これを悪用するケースは後を絶ちません。
最も多いのが、今回のケースのように「本来は特別利益として計上すべきものを営業外収益として計上する」というもの。
保険の解約差益のように「今年だけ特別に生じる利益」は特別利益に計上するのが企業会計上のルールです。
しかしこのルールには罰則がありませんので、守らない人も出てくるということです。

金融機関では、このような粉飾は本来の姿に戻した上で審査を行います。
つまりは経営者の心証が悪くなるだけですので、すぐにバレるような粉飾はしない方がマシだということですね。


それでは第7回「劇的なV字回復に見えるものの資金ショートが見抜かれたケース」
続きは本文で。

2014.06.05

融資審査会議実録」に「事業計画の実現性が問われて否決されたケース」を追加しました


「融資審査会議実録」第6回目は「事業計画の実現性が問われて否決されたケース」です。


金融機関が新規事業への融資について判断する場合、その事業の実
現可能性や収益性について検討することになります。そこで検討資
料として事業計画書の提出を求めることになります。新規事業の場
合は、やはり集客力が一番に問われます。どれほどよい企画であっ
ても、その商品を販売できなければ事業は成立しないからです。
しっかりした営業力に裏付けされた販売計画があって初めて、利益
計画は成り立ちます。

まったくの新規開業ではなく、本業を営みながらの事業展開もあり
ます。この場合は、本業を見てその経営者の経営力を測ることにな
りますが、同時に事業計画書の出来映えも大きな判断材料となり
ます。


今回のケーススタディは「事業計画が絵に描いた餅」であった事案です。

それでは第6回「事業計画の実現性が問われて否決されたケース」
続きは本文で。

2014.06.01

融資審査会議実録」に「経営力の稚拙さから否認されたケース」を追加しました

「融資審査会議実録」第5回目は「経営力の稚拙さから否認されたケース」です。


金融機関が企業への融資について判断する場合、まずは通常の経営から返済可能かどうかを考えます。そこで判断基準とされるのが経営能力です。とりわけ資金繰りを中心としたおカネの扱い方についてチェックされます。
いくら営業が得意でも、たくさんの従業員がいても、それが経営能力のすべてというわけではありません。
それどころか、資金繰りの能力如何ではどれほど黒字であっても倒産する可能性が大きくなるからです。

そしてこの資金繰りの能力が低ければ、自分たちが気づかないうちに食い物にされていることもよくあるのです。

今回は、金融機関に食い物にされた企業のケーススタディです。
実はこのようなケースは比較的良く見かけますので、注意してください。


それでは第5回「経営力の稚拙さから否認されたケース」
続きは本文で。

2014.05.24

融資審査会議実録」に「間違った経営指導が企業を倒産に追い込んだケース」を追加しました

「融資審査会議実録」第4回目は「間違った経営指導が企業を倒産に追い込んだケース」です。

企業が融資を受けるときに、会計処理を請け負っている税理士などが資料作成を手伝うことがあります。また決算時においても、金融機関からの融資を想定して決算書を作成する場合が多いでしょう。これ自体は間違いではありませんし正しいことだと思いますが、問題は金融機関の思惑とかけ離れた決算書が作成されるケースが多いということです。

一般的に2期連続赤字だと融資は難しいといわれているようですが、これは正しくもあり間違いでもあります。
今回はここを勘違いして作成された決算書が引き起こした悲劇をお送りいたします。


それでは第4回「間違った経営指導が企業を倒産に追い込んだケース」
続きは本文で。

2014.05.16

「融資審査会議実録」に「経歴詐称が疑われて否決されたケース」を追加しました

「融資審査会議実録」第3回目は「経歴詐称が疑われて否決されたケース」です。

金融機関が融資を行う場合、残念ながら意向に添えず断らなければならないケースが存在します。
もちろんその理由はさまざまなのですが、企業に伝えられる理由はなぜか型にはまったものばかり。
今回のケーススタディは「融資審査会議において否決となった本当の理由が経営者本人に届くことはほとんどない」事実についてです。

それでは第3回「経歴詐称が疑われて否決されたケース」
続きは本文で。

2014.05.08

「融資審査会議実録」に「目的外利用の懸念があったにも関わらず融資が実行されたケース」を追加しました

「融資審査会議実録」第2回目は「目的外利用の懸念があったにも関わらず融資が実行されたケース」です。
第1回目は目的外利用が原因で融資を否決されたケースを紹介しましたが、今回は全く逆のパターンとなります。
しかし第1回目も第2回目も、金融機関からすると筋の通った理由が存在します。
この「融資審査会議実録」からは、そのような金融機関の考え方を読み取っていただければ、断られない融資の申込方法も見えてくるかと思います。

それでは第2回目「目的外利用の懸念があったにも関わらず融資が実行されたケース」
続きは本文で。

2014.04.23

「融資審査会議実録」に「住宅取得が原因で借入ができなくなったケース」を追加しました

安藤は現在、ある金融機関の融資審査会議においてオブザーバーとして参加しており、会計・税金の専門家として意見を求められてきました。2006年から現在まで9年間に及ぶ審査会参加によって、延べ500件を超える融資審査に立ち会ってきました。

その融資審査の場において常々感じることは、最近の中小企業における融資の申込方法は間違いだらけだということです。
資金の考え方、融資申込時に提出される資料、決算書・試算表の作成方法はもちろんのこと、きちんと資金繰りを把握している企業はほぼゼロに近いこともわかっています。

その原因を考えてみたのですが、これはやはり知らない人が多いからだろうという結論に至りました。専門家を含めてです。知らないからいつまで経っても同じ間違いを繰り返し、その結果多くの企業が倒産していくのだと思いました。

この度、融資審査会議でOKをもらえましたので、実録として公開していこうと思います。
当然ですがストーリーっぽくなっているものは架空であり、事業者も特定できないようにしています。ただ各回でポイントとなっている部分は事実であり、実際に審査会議で問題となった部分です。

この「現役融資審査員が明かす! 融資審査会議実録」で、正しい資金繰りの考え方や金融機関とのつき合い方などを身につけていただければ、幸甚です。

第1回目は「住宅取得が原因で借入が出来なくなったケース」です。
続きは本文で。

2012.05.27

企業経営カテゴリーに「海外取引における『営業黒字・経常赤字』の責任所在」を追加しました

最近、中小企業でも海外取引が増えてきました。
しかしきちんと利益を出せているところは、まだまだ少ないようです。
そんな企業の決算書を見てみると、「営業利益までは黒字」なのに「為替差損で大赤字」になっていることがあります。
そして経営者は「本業は順調なのに、円高の影響で利益が飛んでしまう」と言います。
果たしてこれは本当なのでしょうか?
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2012.05.16

会計実学入門カテゴリーに「固定費削減の落とし穴ーその3」を追加しました

管理会計における手法の一つに「固変分析(CVP分析)」があります。
これはすべての費用を「固定費」と「変動費」の二つに分けて分析する手法です。
既にご承知の方も多いと思いますが、「固定費」とは「売上高や販売量に関わらず発生する費用」の事を指し、「変動費」とは「売上高や販売量に応じて変動する費用」の事を言います。

なぜこのような分類をするのかというと、分類そのものに必要性があるわけではなく、「増益における経費削減の効率性」の要請からのものとなります。
これは「売上高や販売量に応じて変動する変動費をむやみに削減すると、それに応じて売上高も減少してしまう恐れがある」という問題があるとされているからです。
その代表例として「仕入高を減少させると、それに応じて売上高も減少する」というものがあります。
確かにこの理論でいくと「売上高や販売量に関わらず発生する費用」である固定費を削減する事ができれば、売上高を減らす事なく経費削減が可能となり、結果増益となる事になります。
果たしてこれは本当なのでしょうか。
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2012.03.04

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<センサーを増やす>」を追加しました

 

-----目の前で起こっていることが全て見えているとは限りません----

馬に乗っている期間が長くなればなるほど、全身の感覚が研ぎ澄まされてきます。

初めは何も感じ取ることができなかったわずかな動きからでも、様々な情報を読み取ることができるようになります。

例えば馬の耳の動きからは、その時の感情の変化がつかめます。耳をこちらに向けている時はこちらに興味を持っている時であったり、逆に耳を伏せて絞っている時は警戒心丸出しで怒っていたりします。また鳴き方からは馬の欲求が感じ取れます。

そしてお腹を気にする仕草からは疝痛(お腹の痛み。死に直結することもよくあります)がわかり、夏場の前掻き(前肢で地面を掻く仕草)からは熱射病の兆候が見えたりします。

( 中  略 )


一般的に人は自分の感覚が劣っているとは考えないものです。
人は自分のセンサーが感じ取れる範囲内の情報しか入手できません。
目の前に同じ光景が繰り広げられているとしても、センサーの質と量の違いによって、ある人には見える事柄でも別の人には映っていなかったりします。
同じものを見ていても、見えているものが違うのです。
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2012.02.16

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<やらせて確認する>」を追加しました

-----「はい、わかりました」はデマカセです-----

馬は言葉を介した意思疎通が出来ません。ですから馬がほんとうに理解したかどうかを確認するのに「お前、ほんとうにわかったのか?」と聞いたところで返事が返ってくるはずがありません。そこで馬が理解したかどうかは必ず「やらせて確認」することになります。教えて、反抗無くこなせるようになって、最後に自分で考えてできるかどうかをチェックします。この馬のトレーニング方法を通して、逆に見えてきたものがありました。


「お前、ほんとうにわかったのか?」誰でも一度は言われたことがあるフレーズだと思います。皆さんはおそらく「はい、わかりました」と答えたことでしょう。そして多くの場合「お前、『はい、わかりました』って言ったじゃないか!」と言われたのではないでしょうか。この一連の表現はよくある表現だと思われますが、なぜよく耳にするのでしょうか。



-----本当に理解したことを「腑に落ちる」と言います-----

1)「お前、ほんとうにわかったのか?」
2)「はい、わかりました」
3)「お前、『はい、わかりました』って言ったじゃないか!」

この一連の表現の中で問題があるのはどれなのでしょう。 ・・・続きを読む

2012.01.26

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<相手が理解できる言葉で伝える>」を追加しました

-----自分勝手な言動は相手に混乱しか与えません-----

ライダーが馬と会話を交わすには自分の体を使うしかありません。声・手(指)・脚・体重移動を駆使してライダーは馬と会話をします。
皆さんだったら馬を右方向に進めたい時にはどうするでしょう。
多くの人は右の手綱を引っ張ることでしょう。右に曲がりたいのだから右の手綱を引く。これは理屈が通っているように感じます。しかしウエスタン馬術の世界では全く逆です。右に曲がるときには左の手綱を馬の首に軽く当てるようにします。これがウエスタン馬術での「右に曲がる」を意味する馬との共通言語となります。馬が理解できる言葉で伝えなければ、右に曲がることさえ出来なくなってしまいます。きちんとトレーニングされた馬であれば、手綱を右に引いたら首を右に受けたまままっすぐ進みます。ウエスタン馬術の世界では、手綱を右に引く事は「右に曲がる」事ではなく「首を右に曲げる」事を意味するからです。ここでは「右に曲がりたいのだから右の手綱を引く」という、人の自分勝手な意思や感情は全く意味をなしません。



-----一つの単語には一つの意味しかないとは限りません-----

人も同じです。
上司が部下を指導する際に、人はどのようにして意思を伝えるのでしょう。人と人との間での共通言語は言葉です。人は言葉で意思を伝えることが出来るだけに、逆に大きな過ちを犯してしまいます。外国語であるならばまだしも、同一言語を用いる場合に特に陥りがちな過ちです。その過ちとは自分の用いる言葉の持つ意味がただ一つだけだと考えてしまうことです。
例えば「所得」という言葉は、本来は税法上の専門用語です。税理士などの専門家は別として、これを専門用語通りの意味で用いている人はほとんどいません。本来単一の意味を持つはずの専門用語でさえ別の意味で常用語化していますので、よほど気をつけなければ「右に曲がりたいのだから右の手綱を引く」事になってしまいます。
概念的な言葉を用いる時には特に注意が必要です。
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2012.01.23

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<馬銜を受けさせる〜絆を結ぶ>」を追加しました

-----ひと言で説明すると絆を結ぶことです-----

馬銜と書いて"はみ"と読みます。

                    (中略)
馬がライダーの指示を待ってその指示通りに動くためには、常にライダーに意識を向けておく必要があります。もし馬場の上を横切る鳥に気を取られたならば、次のライダーの指示を見逃したり反応が遅れたりします。指示を出した瞬間に反応する馬にするためには、ライダーは何をすれば良いのでしょうか。



-----馬銜受けとは信頼関係の構築です-----

馬が常にライダーに意識を向けていて指示を出した瞬間に反応させるためには、馬が常にライダーの指示を受け入れられる状態にしておかなければなりません。馬は被捕食動物ですので、自分の周りで素早く動くものがあれば本能的に反応するように出来ています。なにか気になるものが視界に飛び込んできた瞬間に馬の意識はそちらに向いてしまいます。従ってライダーに意識を集中していなければ、馬場の周りを犬が走り回ったり頭上をカラスが飛んだ時にはそちらに意識を向けるようになります。

そこでライダーは、馬とライダーとの間で信頼関係を築くところから始めます。これを「馬銜受け」と呼びます。馬銜を通してライダーは、自分に従っていることが最も安全であることを馬に伝えます。馬に対して常に一貫した指示を出し、わずかでも反抗を見せたならば一貫して叱り、従順に従ったならばその瞬間に一貫してほめることが求められます。ライダーが常に一貫した行動を取るならば、馬は何をすれば良いかの判断が容易となります。こうして馬がライダーを受け入れると、ライダーに全幅の信頼と畏怖・尊敬を感じるようになります。

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2012.01.22

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<休息を与える>」を追加しました

-----ゆっくり歩けない馬や走れない馬は存在しません-----

(中略)

ライダーは馬を思い通りに動かすためにトレーニングをします。ライダーが意図した瞬間に意図した動きをさせる事がトレーニングの目的となります。馬単独では難なくこなせる動きでも、ライダーの指示した瞬間に指示通りに出来るとは限らないからです。
ライダーの指示した瞬間に指示通りに動く馬にすることは簡単ではありません。まだその中でも前進後退のように馬本来が得意とする動きであれば比較的教えるのも楽なのですが、解剖学的に見て馬が苦手とする横の動き(内方後肢一本を軸として馬体が360度回転するターンアラウンドなど)を教えるのは困難を極めます。



-----行動科学はすべて動物行動学から発展してきました-----

ここで駆け出しのライダーは大きなミスを犯します。初めから完成形を求めてしまうのです。もともと馬という動物が苦手とする横の動きを教えるのですから、横への動き方から教えなければなりません。

(中略)

上手なライダーは左前肢が右前肢の前を通って一歩進めた瞬間に止めてほめます。馬にとって休息が喜びであることを知っているからです。休息を与えられた馬は「左前肢が右前肢の前を通ったこと」が正しかったことを認識します。こうして一つずつの動きを確実に積み重ねることで、数日かけて最終的に正しいステップで360度の回転運動が出来るようになります。
新しいことを教える時には、それが出来た瞬間でも、本当にできるようになったのかどうかが不安になるものです。しかし上手なライダーであればあるほど一歩あるいは数歩でOKを出します。せっかくできるようになったのに長い時間それを続けられると、馬は「これではダメなのかも」と考えてしまうからです。



-----これが「小さな成功体験を重ねさせる」の真意です-----

良かったならばその瞬間にそれを伝えるのがトレーニングの真髄となります。
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2012.01.18

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<叱ると教える>」を追加しました

-----出来ない理由は3つあります-----

馬をトレーニングする時にはプレッシャーとリリースを用いる事はこれまで説明してきた通りです。今回はプレッシャー(叱る)についてもう少し踏み込んでみましょう。ライダーは馬に意図した動きをさせるためにトレーニングをします。意図した動きを見せたときには即リリースしてほめますが、意図した動きをしなかった時にはどうするのでしょう。

ライダーはこれだけで叱る事はしません。馬がいう事を聞かなかったのになぜライダーは叱らないのでしょうか。
馬に意図した動きを求めた場合において、馬が指示通り出来ない理由には次の3つがあります。

          (1)知らないから出来ない
          (2)準備が出来ていないから出来ない
          (3)出来るけど嫌だからやらない

ライダーはこの3つの状況に応じて対応を変えます。「知らないから出来ない」ケースでは、そもそもライダーの指示の意味がわかっていないので叱ったところで意味がありません。
とこのように文字にするとこれに反対する人はいないでしょう。しかし現実には多くの人がやってしまっています。なぜ頭では理解できているのに行動レベルで間違ってしまうのでしょう。

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2012.01.01

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<明日をより良く。ただそれだけを追求する>」を追加しました



馬には年末もなければ正月もない。

ただ同じ毎日が繰り返されるだけ。

だからこそ、明日をより良く。

それだけを追求する。


写っているものは蝉の脱け殻です。
年賀状の一番下にこんな一文があります。
I am Alpha and Omega, the biginning and the end, the first and the last.
(わたしはアルファでありオメガである。始まりであり終わりである。最初であり、最後である。)
これはヨハネの黙示録からの抜粋です。この引用に謎が隠されています。


蝉の脱け殻は「オメガ・終わり・最後」なのでしょうか。
確かに抜け殻という以上はそうなのかもしれませんが、同時に成虫としての蝉の始まり(アルファ・始まり・最初)でもあります。
いま目の前にある事柄が結果だと見えているかもしれませんが、実はそれが次の始まりであることは多くのことにも当てはまるでしょう。
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2011.12.17

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<リリースポイントを見逃さない>」を追加しました

-----ほめるタイミングですべてが決まります-----

動物行動学から見る人材教育<プレッシャー&リリース>でも触れたとおり、馬はプレッシャーから開放された瞬間にほめられたと感じます。ライダーはこのプレッシャーとリリースをうまく使いながら馬を意のままに操ろうとしますが、ここにもう一つ大きなポイントが潜んでいます。

それがリリースのタイミングです。

言い換えるといつほめてやればいいのかということになります。動物は基本的に理性で動いています。馬も例外ではありません。馬は今感じているプレッシャーを外してもらうことだけを考えています。そういう意味ではプレッシャーを外してやりさえすればタイミングはいつでもいいことになりますがそれではライダーの意図する目的は達成されません。

ライダーはなぜプレッシャーをかける(咎める)のかを考えてみましょう。

咎める理由は、それ以降咎めなくてもすむようにするためです。

そのためには馬にその意図を理解させなければなりません。馬に意図を理解させるためにはほめるタイミングが絶対条件となります。馬は人語を解しませんから「あの時のあの動き良かったよ」というのは伝わりません。ライダーの意図する動きをしたならばその瞬間にほめてやる(リリースする)必要があります。これで馬は「今ので良かったんだな」と理解します。このほめるタイミングを間違えると馬は何が良かったのかがわからなくなります。




-----「あの時のあれ」では完全には伝わりません-----

人は人語を解しますから「あの時のあれが良かったよ」でも伝わります。しかし本当に「あのときのあれ」でいいのでしょうか。
ここで一歩踏み込んで「あの時のあれが良かったよ」の意味を考えてみましょう。
なぜ上司は部下にこのように伝えるのでしょう。この言葉の行間に隠れている言葉があります。

「これからは何も言わなくてもあの時のあれをやってくれよ」

この意図を理解させるために「あの時のあれが良かったよ」と伝えます。やはりそれ以降プレッシャーをかけなくてもすむようにするためだということがわかります。それでは想像してみてください。
上司が望む行動を見せた部下が、その行動を見せた時ではなくて少し時間をおいて「あの時のあれが良かったよ」と言われたならばどうでしょう。
・・・続きを読む

2011.11.11

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<叱らない叱り方>」を追加しました

-----「叱る・ほめる」とは、一体どういう事なのでしょうか-----

前回のエントリー「動物行動学から見る人材教育<ほめないほめ方>」では、きちんとほめられた相手側が「私はほめられた」と感じなければほめた事にはならないと書きました。
ということは、相手側がほめられたと感じさえすればそれでいいということになります。
この視点で再度「叱る・ほめる」を考えてみましょう。


-----「叱る・ほめる」を「プレッシャー&リリース」といいます-----

馬をトレーニングする時にも、やはり「叱る・ほめる」を使います。
もしかしたら、人に対して使う時よりもずっと繊細に使っているかもしれません。
エントリー「動物行動学から見る人材教育<小さな反抗>」でも書いたとおり、馬はトレーニングの中で 様々な反抗をします。
その理由は「それはやりたくありません」 から始まって「あなたの言うことは聞きません」まで様々です。

もちろんこんな馬のわがままを許していたらトレーニングになりませんので、反抗に対してはきっちりと咎めていきます。
咎めるといったところで馬は人語を解しませんから、馬との対話は物理的な接触、つまり手や脚によるプレッシャーで行うことになります。
例えば、軽く左の手綱を引いたにもかかわらず左に向かなかったならば、次はもっと強い力で左に手綱を引くことになります。
それでもまだ馬が反抗を見せるならば、次は脚を使うこともあります。
脚を使ってもまだ反抗する場合には、手綱を鞭代わりに使うこともあります。
とにかくどんな方法を使ってでも、馬の反抗をとることが必要となるからです。

さて、ここでいうプレッシャーとはどのようなものだとお考えでしょうか。
「咎める」や「プレッシャー」というと、つい厳しいものを想像しがちになりますが、必ずしもそうではありません。
馬の口についたビット(はみ)に繋がった手綱を、小指でほんのわずか握り込むだけで馬には伝わるのです。
また脚を使うと書きましたが、これもふくらはぎに少し力を入れる程度で伝わります。これで伝わらなければ、踵でドンと蹴ることもあります。
馬同士のケンカを見るとわかりますが、かなりの激しさで蹴り合ったりしています。
それを考えると、人が蹴る程度では何の影響力もないでしょう。
これはトレーニングされた馬だからこそ出来ることなのですが、実は非常に重要なポイントなのです。

つまり「馬がプレッシャーだと感じた」らそれはプレッシャーなのです。
ライダーがそれをプレッシャーだと思うかどうかなど、まったく関係ありません。
舌打ちだけで馬が反応したならば、それでもかまわないのです。
そうして馬がライダーのプレッシャーに反応した瞬間に、それまでかけていたプレッシャーを解放します。
これを「リリース」と呼びます。
ライダーはこの「プレッシャーとリリース」を使いながら馬をトレーニングするのです。
馬は人語を解さないから、馬と人との共通言語である「プレッシャーとリリース」を使って「会話」しているのです。・・・続きを読む。

2011.11.04

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<ほめないほめ方>」を追加しました



-----ほめて育てるのがいいと言われていますが-----


「ほめる」とはどういうことでしょう?
改めてこう問われると、即答に困るのではないでしょうか。
それではゆっくり考えてから答えてください、と言われたら・・・。
「人の行いを評価して、それを称えること」でしょうか。
大辞林によると、ほめるとは「高く評価していると、口に出して言う。たたえる」とあります。
そして多くの人が、そのように考えていることでしょう。
果たして本当にそうなのでしょうか。
今一度、ほめるということについて考えてみましょう。


-----相手に伝わらなければ、ほめたことにはなりません-----


それでは動物行動学的に見てみましょう。
過去のエントリー「動物行動学から見る人材教育<小さな反抗>」でも触れましたが、馬は<小さな反抗>を使ってライダーを試します。
ベテランのライダーであれば、すぐにこの<小さな反抗>に気づいて、その瞬間に馬を咎めます。
咎められた馬は次第にライダーに集中するようになり、最後はライダーに従うようになります。
こう書くと、馬は咎められてばかりに見えますが、実はそうではありません。
ライダーは馬が反抗したときには咎めますが、従順に反応したときにはほめてやるのです。
それでは考えてみてください。ライダーはどうやって馬をほめるのでしょうか。
「よくやった、それでいいんだよ」と声をかけるのでしょうか。
「さすがだね、次もその調子で頼むよ!」とほめるのでしょうか。
残念ですが、馬は人語を解しません。
どんなに素晴らしい誉め言葉を用いても、それは馬をほめたことにはなりません。
ではどのようにしてほめるのでしょうか。


ライダーは二通りの方法で馬をほめます。一つは「明示的に撫でることで馬をほめる方法」です。
ライダーは馬が従順に従ったときに、馬の首筋を撫でてやったり、首やお尻を軽く叩くことでほめます。
馬は首筋を撫でられたときに「ああ、今ので良かったんだな」と学習します。
これを繰り返すことで、馬はライダーの求める動きをするようになっていくのです。
この「明示的に撫でることで馬をほめる方法」はまだ理解しやすいでしょう。
しかしライダーが馬に送る「ほめる合図」のうち、圧倒的に多いのはもう一つの方法です。
それが「何もしないことで馬をほめる方法」です。・・・続きを読む

2011.11.01

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<小さな反抗>」を追加しました

-----馬はまっすぐ前に進むものだと思っていませんか?-----

馬に乗る目的は何でしょう。
ただ馬の背に揺られてのんびり散歩を楽しむのもいいでしょう。
馬に跨がりさえすれば、皆さんはのんびりと散歩を楽しめるとお考えでしょうか。

馬に跨がった人が次にすることは何でしょう。
前に進もうとするはずです。
そのために、人は前に進めという合図を送ります。
合図をされた馬は前に進み始めます。
進み始めて少し経つと、人は違和感を感じ始めます。
馬が勝手に曲がり始めるのです。
まっすぐ前に進もうと考えているのに、なぜか曲がり始めます。
何とかまっすぐにしようとして手綱を引っ張っても、馬はまっすぐ進もうとはしません。
今度は手綱を引っ張った方に曲がってしまいます。
繰り返し手綱を引っ張るうちに、馬は手綱を引っ張られた方に首を曲げたまま、逆の方に進み始めます。
そうして、やがて歩くのを止めてしまいます。
こうなると、蹴ろうが何をしようが全く動かなくなってしまいます。
なぜこのようなことになってしまったのでしょうか。
いったい何が原因だったのでしょう。
跨がった人がなにか馬に嫌なことをしたのでしょうか。


-----初めの第一歩が全てを決めます-----

これは馬が動き出す一歩目に原因があったのです。
しっかりとトレーニングを受けた馬でさえ、多くの場合このようなことが起きます。
人が跨がって前に進む指示を出した時、馬は足を前に一歩出しますが、まっすぐには出さず蹄一つ分ほどずらして一歩目を踏み出します。
これは馬が人を試しているのです。
跨がった人が自分が従うべき資質を兼ね備えているかどうかを馬はチェックします。
この蹄一つ分ずらした事実について、跨がった人がどう反応するかを見ているのです。
蹄一つ分ずらして前に進むということは、馬の反抗の表れです。

そもそも馬という動物は、人をその背に乗せるために産まれてきたわけではありません。
馬は自分で好き勝手に走ることは好きですが、人に命じられてその通りに走ることは好きではありません。
ですから自分をうまくコントロールしてくれる人でなければ、その言うことを聞かないものです。 そのため、自分に跨がった人がどの程度自分のことを理解してくれているのか、馬は必ずテストをします。 馬が人を試す場合には、人の指示に対して少しだけ反抗するという方法で始まります。
これを<小さな反抗>と呼びます。
ライダーの経験が浅いうちは、これが分かりません。 蹄一つ分ずれた程度では感じ取れないからです。 ライダーがこれに気づかなければ、馬は次にもう少しずれ幅を大きくします。 そうするうちに、少しずつ曲がり始めます。こうなるとさすがに未熟なライダーでも気づくのですが、その時にはすでに<小さな反抗><大きな反抗>となっています。もう馬はその人には従おうとはしません。ライダーが馬に負けた瞬間です。

このときの馬の心理を考えてみましょう。もし馬が言葉を話せたら、この瞬間ライダーに向かって何を言うでしょうか。 ・・・続きを読む

2011.09.25

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<ゼロで乗る>」を追加しました

−−−−−−ゼロで乗るとはどういう意味なのでしょう−−−−−−


聞き慣れない言葉ですね。

これは日本におけるレイニング(ウエスタン馬場馬術)の第一人者である土岐田勘次郎氏の言葉です。

土岐田氏はレイニング競技に出場するための馬を生産・調教している方で、トレーナーとしてもライダーとしても日本一二を争うほどの実力者です。 彼は馬をトレーニングするときの鉄則として<ゼロで乗る>を徹底しているといいます。

土岐田氏は次のように言います。

馬がこちらの指示通りに動かなかった場合、手綱やハミ・脚を使って咎めることでそれを修正するのですが、直ったかどうかを確認する必要があります。

その1つの方法として、次にその馬に跨るとき全くプレッシャーをかけずに馬にやらせてみるのです。

これを<ゼロで乗る>と言います。

できればOKですが、出来なければ再度修正することになります。

つまり<ゼロで乗る>とは、自分の意図するところが馬に伝わったかどうかを確認するために、何も注意を与えずにもう一度やらせてみることをいいます。 馬は基本的に人を乗せたくはないものです。 仮に人を乗せたとしても、人の指示に従うよりも自分の好きなように動きたいと考えます。 しかしそれでは競技において馬をコントロールできなくなりますので、人は自分の意図するとおりに馬を動かそうとします。 そのために手綱やハミ・脚などを使って指示を出し、指示通りに動かなかったときには咎め、指示通りに動いたときには褒めます。 これを繰り返すうちに、馬は何をしたら咎められ、何をしたら褒められるのかを学習していきます。 そうしてライダーの意のままに動く馬ができあがっていくのです。 この一連のトレーニングにおいて、重要なファクターの一つが<ゼロで乗る>だと言います。
この<ゼロで乗る>を別の言葉で言い換えると、復習テストとなります。 前回までにやったことが理解できているかどうかをチェックするためには、実際にやらせてみるのが一番です。 トレーナーが何も補助を出さなくとも、合図だけで意図する動きが出来れば、それ以上咎める必要はないでしょう。


−−−−−−重要なのは方法ではなくタイミングです−−−−−−

これを人間の世界に置き換えてみましょう。 企業経営において<ゼロで乗る>が必要となるシチュエーションは、人を雇う、管理職に昇進するなど部下を持つことになるなどの人材教育のシーンです。 多くの部下を教育したきたベテランならばともかく、初めて部下を持たされた管理職や初めて人を雇う経営者は、ここでかなり悩むことになるでしょう。 なぜ上司は部下を教育しなければならないのでしょうか。 ・・・続きを読む

2011.09.19

会計実学入門カテゴリーに「管理会計を過信すると倒産にたどり着く〜その2」を追加しました

−−−経営は科学です−−−

もちろん経営者の勘と経験は、経営において非常に大きな武器となります。
経営とは判断の連続ですから、ある事実に基づいてどう判断するかは経営者の腕の見せ所でしょう。
それでは優秀な経営者であれば、ゴミデーターからでも確実に正しい判断が出来るのでしょうか。
そんなはずはありません。優秀な経営者であればあるほど、その判断材料とするデーターには正確性を要求するはずです。
つまり経営者が勘と経験を活かすためには、科学的な根拠を持つ正確なデーターが必要となるのです。
その判断の根拠となるべき固定費と変動費の分類を勘と経験に頼るのは、間違った方法なのです。
それではどうすれば科学的な根拠を持つ固定費と変動費の分類が可能となるのでしょうか。


−−−固定費・変動費とはどのようなものかを再度考えてみましょう−−−

それではもう一度基本に立ち返ります。
固定費・変動費とはどのようなものだったのでしょうか。
「売上高や販売量の増減」に影響するかしないかで分類することになっていたはずです。
給料・仕入・外注費・減価償却費などの勘定科目で分類すること自体が間違いだったのです。
ということは「売上高や販売量の増減」に影響するかどうかをチェックすれば良いことになります。
そんな方法があるのでしょうか。

統計学といわれる学問があります。続きを読む・・・

2011.09.16

次回 会計実学初級講座の日程が決まりました

経営者のための会計学"会計実学"。
立命館大学でも大人気の実学講座が、経営者向けに開催されています。
すでに2期が修了し、参加した経営者たちからも高い評価をいただいています。

経営をするにあたって会計は必要欠くべからざるスキルです。
経営の目的は、利益の確保とその回収にほかならないからです。
会計が理解できていない経営者とは、TOEIC100点で外国に単身赴任しているようなものです。
しかし経営に必要な会計は、簿記などの会計をいくら学んだところで身につけることは出来ません。
それどころか、今の日本では経営者のための会計学を学ぶところはないのです。
MBAコースであったとしても、これを学ぶことは出来ません。
これはMBAホルダーの経営者が倒産している事実を見ても明らかです。


わたしがこの業界に初めて踏み入れたのは昭和63年、ちょうどバブルまっただ中の時でした。不動産業者は土地転がしで儲け、株式投資で億の利益を上げている人もたくさんいました。日本全体が御祭り騒ぎであったのもつかの間、その後バブル経済は崩壊しました。
昨日までベンツの最高級クラスを乗り回していた不動産業者が、次の朝には夜逃げしていました。株式投資で億近い利益をあげていた人は、証券会社からの追い証が支払えずに首を括りました。

そのような中でも生き残った企業はあったのです。
わたしはこの一連の流れの中で、生き残った企業と消えていった企業の違いをずっと研究してきました。
その中で自分なりに仮説を立て、その仮説をお客様へのコンサルティングで検証してきました。
その結果、いくつかの事実が見えてきました。
この25年間研究し続けてきたところをまとめたものに"会計実学"と名を付けました。

会計実学を用いたコンサルティングでは、多くの倒産寸前の企業を救済してきました。さらには起業して間もない企業を短期間で軌道に乗せることも実現してきました。
経営は科学です。
ある程度の規模までは、再現可能なノウハウで軌道に乗せることが出来ます。その規模を越えた場合でも、科学的な方法で仮説と検証を繰り返すことで、より効率的で確実な経営が可能となります。


コンサルティング先の倒産件数ゼロを誇る会計実学。
あなたの夢の実現を、お手伝いいたします。


会計実学セミナー開催のご案内

2011.09.16

会計実学入門カテゴリーに「管理会計を過信すると倒産にたどり着く〜その1」を追加しました

固定費の落とし穴では、管理会計の限界について触れました。
今回はもう少し踏み込んでみようと思います。

管理会計とは一般的に「主として、会計情報を経営管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立てることを目的とするもの」とされています。
ということで、最近では多くの企業が導入しているようです。
経営コンサルタントの間では万能であるかのように言われている管理会計ですが、実はそれほど効果のあるものではなさそうです。
もし管理会計が本当に万能であるならば、日本の倒産件数はこれほど多くなっていないはずでしょう。
現実は、起業して10年後に存続している企業の割合はわずか7%だという統計データーもあるそうです。
もちろんこの中には、管理会計を導入しても倒産してしまった企業もたくさんあるでしょう。
それでは、いったいどこに問題があるのでしょうか。
そもそも管理会計が経営に役立つというのは、妄想に過ぎないのでしょうか。
続きを読む・・・

2011.09.03

会計実学入門カテゴリーに「貸借対照表はこうやって読みこなす!」を追加しました


−−−決算書を読むのは簡単です−−−


「決算書が読めるようになりたい!」そうお考えの方は多いのではないでしょうか。

書店に行けば、決算書の読み方を教えてくれる本がたくさん見つかります。
毎年その数は増えていくようです。
わたし自身も決算書の読み方の本を1冊出版していますが、やはり紙面で説明するのは難しいものです。
結局は読めるようにならずに諦めてしまう人が多いようです。

「書籍だけじゃ無理そうだ」と考えた人はセミナーに参加することになります。

「決算書の読み方」と題して行われるセミナーに参加して学びますので、ここで決算書の読み方は身につきます。
最近はDVDにして販売しているところもありますので、決算書の読み方をマスターしたいのであればこれで十分です。
「いや、その時はわかった気になるんだけど、実際に会社でやってみるとやっぱりわからないよ」
ここまで学んだ人の中でも、実はかなりの割合でこのような方がいらっしゃるようです。
なぜこのようなことになるのでしょうか?
実はこの方法で学べる決算書の読み方は、他の企業の業績判断に使うための読み方です。
つまり簡単に言うと投資判断に利用するための決算書の読み方なのです。


−−−実は「決算書の読み方」は2通りあります−−−

一口に「決算書の読み方」と言っても、大きく分けて2通りの方法があります。
一つが先に挙げた他の企業の業績判断に使うための読み方
もう一つは自社の経営内容の判断に用いるための読み方なのです。
・・・続きを読む

2011.09.02

会計実学入門カテゴリーに「その売上高の計上時期はいつなのでしょう」を追加しました


−−−どちらの年度の売上げでしょうか?−−−

簡単な問題ですので、ちょっと考えてみてください。

  A社は12月31日決算の会社です。
  01年12月28日に商品代金100万円をもらいました。
  しかしちょうどその商品を切らしており、入荷した
  のは02年1月4日でした。
  そこで02年1月4日にその商品をお客様に届けました。
  この商品の売上100万円を計上するのは01年度ですか、
  それとも02年度ですか?

会計を学んだことがある人であれば、おそらく02年度と答えることでしょう。
確かに02年度が正しいのですが、それではその理由まで回答できるでしょうか。・・・続きを読む

2011.09.01

会計実学入門カテゴリーに「会計を学んでも決算書は読めるようにならない!?」を追加しました

−−−なぜ会計を学ぼうとするのでしょうか。−−−

経理担当者であれば、もちろん「帳簿を作成するため」あるいは「決算書を作成するため」でしょう。
経営者や管理職の方はどうでしょう。
「決算書を読みこなすため」あるいは「会計を経営に役立てるため」でしょう。
現代の日本において会計を学ぼうと思えばどうすれば良いのでしょうか。
日商簿記検定を学ぶ方が多いのではないでしょうか。
経理担当者は日商簿記検定の3級や2級を学ぶと、「帳簿を作成するため」あるいは「決算書を作成するため」のスキルが身につきます。
それでは経営者や管理職はどうでしょうか。

−−−公認会計士試験に合格しても決算書は読めない!?−−−

実は日商簿記検定1級をマスターしたところで「決算書を読みこなすため」あるいは「会計を経営に役立てるため」の知識は身につかないのです。
なぜなのでしょうか?
これには明確な理由があります。・・・続きを読む

2011.08.07

企業経営カテゴリーに「長期経営計画と経営理念の関係とは」を追加しました

ウエスタンコンサルティングでは経営理念=長期経営計画と考えています。一般的には経営理念と長期経営計画は別のものだと考えられていますが、ここではこれについて説明します。
 
-----経営理念が重要であると言われますが・・・-----
最近、多くの企業で経営理念の重要性が取り沙汰されています。様々な企業のホームページを見ると、そのほとんどに経営理念が盛り込まれています。標語のように短いものから、数行に渡る長いものまでいろいろなものが見られます。
 
経営理念とはなんでしょうか。
一般的には「企業の使命や目的、存在意義などを概念的にまとめたもの」とされているようです。経営理念を作成し導入した企業の経営者にインタビューしたところによると、その多くでは経営理念の浸透に苦労しているようです。なぜ経営理念が従業員に浸透しないのでしょうか。
ある経営者は「従業員は経営者とは違い、企業経営全般を考えられないから」だと言いますが、これは本当なのでしょうか。・・・続きを読む

2011.04.10

会計実学入門カテゴリーに「固定費削減の落とし穴ーその2(経営スキルはコロンブスの卵)」を追加しました

J社の社長は業績改善のために管理会計を導入しました。
検討の結果、バックオフィスの社員を削減することになりました。
全部で5人いる社員の働きを精査してみたところ、優秀な2人で9割方の営業のサポートをしていることが判りました。
ということで3人は無駄だと判断した社長は、このうち2人を整理しました。

これで固定費の削減が出来たので予定通り利益が向上してくると思っていた社長は、信じられないものを眼にすることになります。
事務社員を整理した月から、売上高が目に見えて減ってきたのです。

なぜこのようなことになったのでしょうか?
実は簡単なことなのです。・・・続きを読む

2011.03.31

会計実学入門カテゴリーに「固定費削減の落とし穴ーその1」を追加しました

最近は管理会計がブームであるかのように取りざたされているようです。
よく切れる刀は取り扱いを間違えると危険であるように、この管理会計も取り扱いを間違えると経営改善どころか業績悪化を招くことになります。
 
その一つに固定費削減があります。
固定費とはご承知の通り売上高や販売量の変化に関わりなく生じる費用のことです。
この固定費の区分には、様々な問題点が内在していますが費目で分類しているケースがほとんどでしょう。
このように見た場合、固定費の代表的なものには減価償却費・給料・地代家賃などがあります。
 
 
今回は給料について掘り下げてみようと思います。
給料は固定費であると思い込んでいる人も多いようですが、少なくとも売上高に連動する歩合給部分は変動費を構成します。
それではこの歩合部分を除いた固定給部分は、固定費なのでしょうか。
これだけでは判断がつかないかもしれませんので、もう少し範囲を狭めてみましょう。
営業事務に携わるバックオフィスでの従業員に対する給料(固定給です)は変動費でしょうか、固定費でしょうか。・・・続きを読む

2011.03.28

会計実学入門カテゴリーに「なぜ貸借対照表は難しいのか?」を追加しました

多くの方から「決算書が読めるようになりたい」という相談を受けます。
詳しく話を伺ってみると、どうやら損益計算書は何となくわかるものの、貸借対照表はどうにも理解できないということのようです。
つまり「決算書が読めるようになりたい」ということは「貸借対照表が読めるようになりたい」ということとイコールのようです。
なぜ損益計算書は理解できても貸借対照表は理解できないのでしょうか。
それほど貸借対照表は難しいものなのでしょうか。・・・続きを読む

2011.03.01

企業経営カテゴリーに「オンリーワン取引は危険度100%ーその5」を追加しました

最後に【4】利益の源が実質的に一つのもの(人、商品、支店など)に集中している状態です。
「取扱商品が単一品目である状態」に似ていますが、こちらは複数品目を取り扱う場合でも起こりうるリスクとなります。


これも例をあげてみましょう。
O社は現在3つの店舗を経営しています。
ここまでは順調に拡大してきたO社ですが、4店舗目を出店したところで大きく躓きました。
それまでは地元密着型で店舗展開を勧めてきたO社は、4店舗目を東京に出したのです。
もちろんそれまでのノウハウを投入すれば東京でも同じように収益を上げられるとの見込みがあったようです。
ところが実際に出店したところ、来店者数が増えないどころかリピート率も全く上がりませんでした。
営業も広告も全く反応がなく、途方に暮れた社長が弊社にコンサルティングを依頼されました。

現場を見せて頂いてすぐに判ったことがありました。
店長の資質が低すぎたのです。
・・・続きを読む

2011.02.08

会計実学セミナー(全14回コース)スタート!

昨日から社会人向けの会計実学セミナー(本邦初公開)が始まりました。これから全14回で会計実学の基礎を学んでいただきます。第1回目は『会計学の歴史と会計実学の目的』でした。
会計を学んでいるのに、なぜ経営がうまくいかないのか?、その理由と解決策についてお話ししました。
次回のテーマは『その売上は今期のもの?来期のもの?』です。
会計を武器として使いこなせる経営者育成を目指します。

2011.02.01

企業経営カテゴリーに「オンリーワン取引は危険度100%ーその4」を追加しました

次に【3】経営判断をする頭脳が実質的に一つである場合について解説します。

これは中小企業経営の特徴とも言えるものですが、判断ミスリスクです。
取締役会が機能している企業ではその取締役の数だけ経営判断をする頭脳が存在しますが、ほとんどの中小企業においては経営頭脳=代表者一人となっています。
単純に考えればわかることですが、われわれは万能ではありません。
知識や経験も不足している部分が多いでしょう。
その代表的なものが税務です。
法人であれば、ほとんどの企業に税理士がついているはずです。
これは税務申告に関する知識や経験の不足を補うためでしょう。
税務や法務、マーケティング、SEOなど各論的な業務につきましてはアウトソーシングする経営者が多いのですが、総論的な経営判断そのものの助言を外部に求める人は非常に少ないようです。
経営判断は、新規開業時から事業撤退時まで全てのシチュエーションで必要とされます。
最も頻繁に必要とされるのが通常の経営時です。
企業経営の際に、最も必要とされるスキルが会計なのです。
会計を用いずに経営判断が出来るはずがありません。
しかし残念なことに、日本の経営者は総じて会計が苦手です。
会計を上手く経営に使うことが出来ないのです。
そしてそれが日本における倒産の最大の原因となっています。
マーケティングにも会計が必須なのですが、ここに気づいている人はごくわずかでしょう。・・・続きを読む

2011.02.01

エプソンのサイトで安藤惠哉が紹介されています

エプソンのサイトTabislandに弊社代表安藤惠哉のインタビュー記事(実務経営ニュース2月号掲載記事)「企業経営者のための『会計実学』の体系化と実践を目指す」が紹介されました。

2011.01.28

企業経営カテゴリーに「オンリーワン取引は危険度100%ーその3」を追加しました

前回までで【1】取引先が一社専属である状態について解説してきました。
纏めると次の5つのリスクがありました。
倒産リスク
減益・キャッシュフロー悪化リスク
規模縮小・撤退リスク
内製リスク
癒着に伴う不正リスク

いずれも倒産に直結する重大なリスクです。
回避策は取引先の複数化となりますが、これは考えているほど難しいものではありません。
人は安定を求めるものです。大きな変化には耐えられないと考えがちです。
そしてその期間が長くなればなるほど、その変化を不可能なものだと考えてしまいます。
自分一人の考えに固執せず「まずはやってみよう!」と考えたときにだけ、目の前の壁が消えるのです。


次に【2】取扱商品が単一品目である状態について解説します。
これには需要縮小リスクがあります。・・・続きを読む

2011.01.26

実務経営ニュースに安藤惠哉の記事が掲載されました

月刊実務経営ニュース2月号に弊社代表安藤惠哉のインタビュー記事
「企業経営者のための『会計実学』の体系化と実践を目指す」が掲載されました。
(注:表紙の写真は弊社とは関係ありません)

2011.01.24

企業経営カテゴリーに「オンリーワン取引は危険度100%ーその2」を追加しました

三番目には規模縮小・撤退リスクがあります。
前項の減益・キャッシュフロー悪化リスクの次に来るリスクですが、取引先の規模縮小や市場撤退に伴ってわが社だけがリスクを被るケースです。

最近では日本航空で大きな問題になっていますが、企業は倒産を避けるためであれば従業員の解雇も余儀なくされるものです。ましてや事業規模の縮小やある市場からの撤退などは当たり前に行われるものでしょう。
このリスクに似たものに内製リスクがあります。
これは従来外注に頼っていたものが、何らかの理由で内製化できるようになったことにより外注先が必要でなくなるものです。
最近の例では、大手印刷会社によるカタログ写真撮影があります。
・・・続きを読む。

2011.01.21

企業経営カテゴリーに「オンリーワン取引は危険度100%ーその1」を追加しました

企業経営において、オンリーワン取引は非常に危険です。
オンリーワン取引とは次のようなものを指します。
【1】取引先が一社専属である状態
【2】取扱商品が単一品目である状態
【3】経営判断をする頭脳が実質的に一つである場合
【4】利益の源が実質的に一つのもの(人、商品、支店など)に集中している状態
これらについてそれぞれどんなリスクが潜んでいるのか順番に見ていきましょう。・・・続きを読む。

2011.01.07

会計実学入門カテゴリーに「本当に黒字は必要なのか?」を追加しました。

「黒字とはなんでしょう」と聞かれれば、なんと答えるでしょうか。
最も多い答えは「最終利益がプラスとなっていること」というものでしょう。
会計に明るい方であれば「経常利益がプラスになっていること」と答えるかもしれません。

いずれも正解です。
それでは「なぜ黒字が良いのですか」と聞かれれば、なんと答えるでしょう。
「黒字でなければ企業は大きくなれないから」でしょうか。
あるいは「黒字でなければ倒産してしまうから」でしょうか。
もしかしたら「黒字でなければ銀行が融資してくれないから」と答える方もいるかもしれません。
これらの答えは正しいのでしょうか。

一般的にはこれらは正しいとされているようですが、わたしは間違っていると考えています。
正確に表現すると、財務会計の世界では正しいのですが、会計実学の世界では間違っているということになります。・・・続きを読む。

2010.12.25

No.2育成カテゴリーに「あなたがいなくても会社は回る」を追加しました。

仕事柄、多くの経営者と会います。ということは、必然的にそれ以上のNo.2を見てきたことになります。一概にNo.2といっても、いろいろなケースがあります。二代目社長もNo.2ですし、副社長もNo.2です。見方を変えれば、部長や課長もNo.2です。課長は、その課の中ではボスですが、部長から見ればNo.2なのです。このようにNo.2とは相対的な存在です。ひとくくりにするならば上を目指してがんばる人ということになるでしょう。

これまでたくさんのNo.2を見てきて感じたことは、大きな勘違いをしているNo.2がなんと多いことか、ということです。・・・続きを読む

2010.12.24

月刊商業界に安藤惠哉の記事が掲載されました

月刊商業界2月号に弊社代表安藤惠哉の記事
「賢い確定申告物語〜わずかな手間と知識で驚きの節税効果!」が掲載されました。

2010.12.22

No.2育成カテゴリーに「No.2の役割」を追加しました。

企業には必ずボスが存在します。
ということは、必然的にNo.2も存在するということになります。
これまでずっと、このNo.2について考えてきました。
企業経営において最も重要なものの一つが、このNo.2の育成だからです。
経営者はもちろんボスです。
はじめは自分一人でスタートした事業でも、その規模が大きくなるにつれて人手が足りなくなります。
ここで2通りの選択肢があります。
1つは、あくまでも自分がプレーヤーに徹して、そのサポートをしてくれる人を使う方法。
もう一つは、もう一人の自分を作る方法です。・・・続きを読む

2010.12.21

No.2育成カテゴリーに「行動科学とは」を追加しました。

行動科学(人間行動学)とは、動物行動学から派生して、人間の行動を科学的に研究し、その法則性を解明しようとする学問です。行動科学の説明をする前に、イルカのトレーニングについて考えてみましょう。
水族館のイルカはなぜあんなに高い位置にあるハードルをジャンプして超えられるのでしょう。自然界にいるイルカは、みんな同じように高い位置にあるハードルをジャンプして超えられるのでしょうか。
実はこの回答はYESなのです。
水族館のイルカが特殊な筋トレをすることで、あのジャンプ力を身につけているわけではありません。それどころか、おそらく自然界のイルカの方がジャンプ力は勝っているでしょう。
それではイルカのトレーナーは何をトレーニングしているのでしょうか。
自然界のイルカと水族館のイルカの違いはどこにあるのでしょうか。

これは「命令されたときにジャンプをする」ことをトレーニングしているのです。・・・続きを読む

2010.11.10

企業経営カテゴリーに「モチベーション確認法とglow in eyes法」を追加しました。

「こんな事業を考えているのですが、見てもらえますか」
このようなご依頼をいただくことがよくあります。
このとき私は必ず次のように尋ねます。
「なぜあなたは事業を始めようと考えたのですか」
「それはあなたが本当にやりたかったことですか」
多くの場合、「何となく儲かりそうだから」とか「これで成功している人がいるから」という目の前の動機だけで飛びついてしまっています。
「儲け」をモチベーションの対象としてしまうと、「儲からない」と思った瞬間にそのモチベーションは失われてしまいます。
こうなると隣の芝生が青く見えてきます。
そして次のように言うでしょう。
「こんな事業を考えているのですが、見てもらえますか」・・・続きを読む

2010.11.09

企業経営カテゴリーに「リアルカラーイメージ法」を追加しました。

「思考は現実化する」
これはナポレオン・ヒル博士の有名な言葉です。

この言葉をご存じの方は多いと思いますが、使い方を理解している方はまだまだ少ないと感じています。
魔法でも使わない限り、ただ思考するだけでは現実化するはずがありません。
それではどのようにして思考すれば、それが現実化するのでしょうか。
その一つの方法がリアルカラーイメージ法です。
リアルカラーイメージ法の特徴は、まさに『リアルカラー』にあります。・・・続きを読む

2010.11.08

企業経営カテゴリーに「経営計画の作成と使い方」を追加しました。

経営計画には短期経営計画・中期経営計画・長期経営計画があります。
これらのうち短期経営計画とは、一言で言えば予算管理となります。
短期とは来期を意味しますので、来期1年間の経営計画を作成することになります。
これは基本的に今期をベースとして、来期にかけての景気見通しを考慮の上作成することになります。
この場合における景気見通しとは、日本の景気を指すのではなく、わが社の景気のことを指します。

一般的には、この短期経営計画をベースとして2年後、3年後、4年後の中期経営計画を作成していきます。
中小企業においては、長期経営計画を作成している企業はほとんどないようです。・・・続きを読む

NowPrinting

2010.11.03

会計実学入門カテゴリーに「経営分析で経営は良くならない」を追加しました。

経営分析の一つに財務指標分析があります。財務諸表上の数字を用いて様々な分析数値をはじき出す手法です。
この財務指標分析でもっとも有名なものの一つに「流動比率」があります。
これは流動資産(おおむね1年以内に現金化される資産)と流動負債(おおむね1年以内西払わなければならない負債)を比較して、流動資産の方が1.5倍程度(流動比率150%)あればその企業は安定していると言われる指標です。おそらく多くの経営者がこの指標を基準として経営に当たっていることだと思われます。

それでは流動比率が200%の企業であれば、安全なのでしょうか。

いいえ、安全とは限らないのです。・・・続きを読む

2010.11.01

バードアイ・コンサルティングカテゴリーに「ゼネラリスト系コンサルティングとは」を追加しました。

自分自身で自らの良い点・悪い点を客観視できる人は、なかなかいません。

どうしても自分のことを第三者目線で客観的に判断することは難しいようです。
これは企業においても同じことがいえます。
経営者は、自分自身の経営を客観視することがなかなか難しいようです。
特に日本の経営者は、会計を苦手とする人が多いようですから、なおさらのこと難しいのでしょう。・・・続きを読む

2010.10.28

会計実学入門カテゴリーに「会計を武器にする」を追加しました。

会計は武器である。
会計を身につけずに企業を経営することは、兵士が丸腰で戦場に赴くようなものである。

これがウエスタンコンサルティングの根底に流れる考え方です。
日本の経営者の特徴として「会計が苦手」というものがあります。食わず嫌いの場合も多いのでしょうが、「会計=簿記」という間違った認識も大きく影響していると思われます。・・・続きを読む

2010.10.27

会計実学入門カテゴリーに「会計実学とは」を追加しました。

会計実学という学問は存在しません。

現在の日本における会計学は財務会計を指します。この財務会計は西洋の大航海時代に端を発するといわれており、債権者保護を目的として進化してきました。つまり財務諸表を見ることで、企業外部の人間(主として投資家)がその企業の現状を判断できることを目的として作られてきたものです。・・・続きを読む