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2011.09.25

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<ゼロで乗る>」を追加しました

−−−−−−ゼロで乗るとはどういう意味なのでしょう−−−−−−


聞き慣れない言葉ですね。

これは日本におけるレイニング(ウエスタン馬場馬術)の第一人者である土岐田勘次郎氏の言葉です。

土岐田氏はレイニング競技に出場するための馬を生産・調教している方で、トレーナーとしてもライダーとしても日本一二を争うほどの実力者です。 彼は馬をトレーニングするときの鉄則として<ゼロで乗る>を徹底しているといいます。

土岐田氏は次のように言います。

馬がこちらの指示通りに動かなかった場合、手綱やハミ・脚を使って咎めることでそれを修正するのですが、直ったかどうかを確認する必要があります。

その1つの方法として、次にその馬に跨るとき全くプレッシャーをかけずに馬にやらせてみるのです。

これを<ゼロで乗る>と言います。

できればOKですが、出来なければ再度修正することになります。

つまり<ゼロで乗る>とは、自分の意図するところが馬に伝わったかどうかを確認するために、何も注意を与えずにもう一度やらせてみることをいいます。 馬は基本的に人を乗せたくはないものです。 仮に人を乗せたとしても、人の指示に従うよりも自分の好きなように動きたいと考えます。 しかしそれでは競技において馬をコントロールできなくなりますので、人は自分の意図するとおりに馬を動かそうとします。 そのために手綱やハミ・脚などを使って指示を出し、指示通りに動かなかったときには咎め、指示通りに動いたときには褒めます。 これを繰り返すうちに、馬は何をしたら咎められ、何をしたら褒められるのかを学習していきます。 そうしてライダーの意のままに動く馬ができあがっていくのです。 この一連のトレーニングにおいて、重要なファクターの一つが<ゼロで乗る>だと言います。
この<ゼロで乗る>を別の言葉で言い換えると、復習テストとなります。 前回までにやったことが理解できているかどうかをチェックするためには、実際にやらせてみるのが一番です。 トレーナーが何も補助を出さなくとも、合図だけで意図する動きが出来れば、それ以上咎める必要はないでしょう。


−−−−−−重要なのは方法ではなくタイミングです−−−−−−

これを人間の世界に置き換えてみましょう。 企業経営において<ゼロで乗る>が必要となるシチュエーションは、人を雇う、管理職に昇進するなど部下を持つことになるなどの人材教育のシーンです。 多くの部下を教育したきたベテランならばともかく、初めて部下を持たされた管理職や初めて人を雇う経営者は、ここでかなり悩むことになるでしょう。 なぜ上司は部下を教育しなければならないのでしょうか。 ・・・続きを読む