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2011.11.04

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<ほめないほめ方>」を追加しました



-----ほめて育てるのがいいと言われていますが-----


「ほめる」とはどういうことでしょう?
改めてこう問われると、即答に困るのではないでしょうか。
それではゆっくり考えてから答えてください、と言われたら・・・。
「人の行いを評価して、それを称えること」でしょうか。
大辞林によると、ほめるとは「高く評価していると、口に出して言う。たたえる」とあります。
そして多くの人が、そのように考えていることでしょう。
果たして本当にそうなのでしょうか。
今一度、ほめるということについて考えてみましょう。


-----相手に伝わらなければ、ほめたことにはなりません-----


それでは動物行動学的に見てみましょう。
過去のエントリー「動物行動学から見る人材教育<小さな反抗>」でも触れましたが、馬は<小さな反抗>を使ってライダーを試します。
ベテランのライダーであれば、すぐにこの<小さな反抗>に気づいて、その瞬間に馬を咎めます。
咎められた馬は次第にライダーに集中するようになり、最後はライダーに従うようになります。
こう書くと、馬は咎められてばかりに見えますが、実はそうではありません。
ライダーは馬が反抗したときには咎めますが、従順に反応したときにはほめてやるのです。
それでは考えてみてください。ライダーはどうやって馬をほめるのでしょうか。
「よくやった、それでいいんだよ」と声をかけるのでしょうか。
「さすがだね、次もその調子で頼むよ!」とほめるのでしょうか。
残念ですが、馬は人語を解しません。
どんなに素晴らしい誉め言葉を用いても、それは馬をほめたことにはなりません。
ではどのようにしてほめるのでしょうか。


ライダーは二通りの方法で馬をほめます。一つは「明示的に撫でることで馬をほめる方法」です。
ライダーは馬が従順に従ったときに、馬の首筋を撫でてやったり、首やお尻を軽く叩くことでほめます。
馬は首筋を撫でられたときに「ああ、今ので良かったんだな」と学習します。
これを繰り返すことで、馬はライダーの求める動きをするようになっていくのです。
この「明示的に撫でることで馬をほめる方法」はまだ理解しやすいでしょう。
しかしライダーが馬に送る「ほめる合図」のうち、圧倒的に多いのはもう一つの方法です。
それが「何もしないことで馬をほめる方法」です。・・・続きを読む