2011.12.17
人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<リリースポイントを見逃さない>」を追加しました
動物行動学から見る人材教育<プレッシャー&リリース>でも触れたとおり、馬はプレッシャーから開放された瞬間にほめられたと感じます。ライダーはこのプレッシャーとリリースをうまく使いながら馬を意のままに操ろうとしますが、ここにもう一つ大きなポイントが潜んでいます。
それがリリースのタイミングです。
言い換えるといつほめてやればいいのかということになります。動物は基本的に理性で動いています。馬も例外ではありません。馬は今感じているプレッシャーを外してもらうことだけを考えています。そういう意味ではプレッシャーを外してやりさえすればタイミングはいつでもいいことになりますがそれではライダーの意図する目的は達成されません。
ライダーはなぜプレッシャーをかける(咎める)のかを考えてみましょう。
咎める理由は、それ以降咎めなくてもすむようにするためです。
そのためには馬にその意図を理解させなければなりません。馬に意図を理解させるためにはほめるタイミングが絶対条件となります。馬は人語を解しませんから「あの時のあの動き良かったよ」というのは伝わりません。ライダーの意図する動きをしたならばその瞬間にほめてやる(リリースする)必要があります。これで馬は「今ので良かったんだな」と理解します。このほめるタイミングを間違えると馬は何が良かったのかがわからなくなります。
人は人語を解しますから「あの時のあれが良かったよ」でも伝わります。しかし本当に「あのときのあれ」でいいのでしょうか。
ここで一歩踏み込んで「あの時のあれが良かったよ」の意味を考えてみましょう。
なぜ上司は部下にこのように伝えるのでしょう。この言葉の行間に隠れている言葉があります。
「これからは何も言わなくてもあの時のあれをやってくれよ」
この意図を理解させるために「あの時のあれが良かったよ」と伝えます。やはりそれ以降プレッシャーをかけなくてもすむようにするためだということがわかります。それでは想像してみてください。
上司が望む行動を見せた部下が、その行動を見せた時ではなくて少し時間をおいて「あの時のあれが良かったよ」と言われたならばどうでしょう。
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