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2012.01.22

人材教育・No.2育成カテゴリーに「動物行動学から見る人材教育<休息を与える>」を追加しました

-----ゆっくり歩けない馬や走れない馬は存在しません-----

(中略)

ライダーは馬を思い通りに動かすためにトレーニングをします。ライダーが意図した瞬間に意図した動きをさせる事がトレーニングの目的となります。馬単独では難なくこなせる動きでも、ライダーの指示した瞬間に指示通りに出来るとは限らないからです。
ライダーの指示した瞬間に指示通りに動く馬にすることは簡単ではありません。まだその中でも前進後退のように馬本来が得意とする動きであれば比較的教えるのも楽なのですが、解剖学的に見て馬が苦手とする横の動き(内方後肢一本を軸として馬体が360度回転するターンアラウンドなど)を教えるのは困難を極めます。



-----行動科学はすべて動物行動学から発展してきました-----

ここで駆け出しのライダーは大きなミスを犯します。初めから完成形を求めてしまうのです。もともと馬という動物が苦手とする横の動きを教えるのですから、横への動き方から教えなければなりません。

(中略)

上手なライダーは左前肢が右前肢の前を通って一歩進めた瞬間に止めてほめます。馬にとって休息が喜びであることを知っているからです。休息を与えられた馬は「左前肢が右前肢の前を通ったこと」が正しかったことを認識します。こうして一つずつの動きを確実に積み重ねることで、数日かけて最終的に正しいステップで360度の回転運動が出来るようになります。
新しいことを教える時には、それが出来た瞬間でも、本当にできるようになったのかどうかが不安になるものです。しかし上手なライダーであればあるほど一歩あるいは数歩でOKを出します。せっかくできるようになったのに長い時間それを続けられると、馬は「これではダメなのかも」と考えてしまうからです。



-----これが「小さな成功体験を重ねさせる」の真意です-----

良かったならばその瞬間にそれを伝えるのがトレーニングの真髄となります。
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